人から話を聞いたとき「よく分かった、助けてあげよう」と思ってつい意見を言っていませんか。
精神科診療では、
「意見を言いたくなったら質問せよ」
といわれます。
これは、傾聴の場においては
「私はあなたのことを全く分かっていない(Not knowing Stace)」
と自覚し、意見する前に立ち止まって、どうして相手がそのようなことを言ったりやったりするのか理解することに努めよ、
ということです。
その際、相手の「そうなんです!」
(ラポートマーカー:感情を拾えたかどうかのしるし)
を集めることに徹します。
感情を拾うことができれば、相手の方は安心して、押し留めていた本音を徐々に言えるようになります。
そして聞けば聞くほど「わたしが意見できることなど何もない」と知らされてきます。
そうして初めて相手の方は「あなたの意見を聞かせてくれ」となられます。
傾聴とは、自分の無知や無力と向き合うことなのです。
まとめ
【参加者の感想】
●今回のお話はまさに自分がなりたい医師像とぴったり重なるものがありました。一見理解できない悩みをどのように切り分け、苦しみを少しでも軽減する方向に持っていけるのか、方法論に触れられた貴重な機会でした。(医学生)
●初めて参加しましたが、とても学びが多かったです。実際に臨床している人の実践知が聞ける会だと思いました。きっと利他の精神ある人達なのでは、と思いました。(医師)