ガンなどの重い病気に対する緩和ケアは「苦痛」に焦点があてられます。
緩和ケアの教科書は9割近くが痛みの記述に割かれ、最後に付け足しのようにコミュニケーションについて触れられています。
しかし疼痛緩和と同じくらいコミュニケーションは大切ではないでしょうか?
特に、スピリチュアルペインには対人援助論に基づく援助的コミュニケーションが有用とされています。
また、緩和ケアの目標として「『その人らしさ』を援助する」とよく言われます。
ACP(アドバンスケアプランニング)の場面でもよく使われる便利なフレーズですが
「その人らしさ」とはいったいどういうことでしょう?
緩和ケア医として最近経験した医療におけるエイジイズム(高齢者差別)の問題点について
も考えてみたいと思います。