透析患者は増加の一途をたどり35万人を越えています。
関連医療費は約1兆5千億円、社会に与える影響は甚大なものがあります。
従来、腎機能が悪化して回復の見込みがない方に対しては、
人工透析をするか、しないかの選択を迫り、
しないならば見捨てる、といった姿勢が
長く続いてきました。
しかし、透析しなくてもある程度長生き
される(透析=死とは限らない)事例もあることから、
・どんな方に透析をするか
・透析しない場合の心身のサポート
の観点から新たに提唱されたのが
保存的腎臓病治療(CKM:conservative kidney management)
です。
最終的な選択は患者さんに委ねられるべきではありますが、
透析する、しない、いずれを選ばれても後悔なく過ごされるよう、
意思決定を支える医療者の役割は大きいと知らされました。
【参加者の感想】
●透析の中止に関する基本的なエビデンスや透析専門医の考え方がわかり、勉強になりました。(医師)
●透析の中止判断は非常に難しい問題だなと、改めて感じました。だからこそ、繰り返し本人、家族、医療者の間で話し合われることが重要なのですが、十分でないと実務の場で常日頃感じています。また非がん患者の緩和ケアが充実していないことも、影響が出ているのではないか、とも感じました。(看護師)