精神科診療の中で、よくこんな声を聞きます。
「先生には申し訳ないけど、私はもう生きる気力がありません。コロッと死ねる薬を出してもらえませんか?」
「自分で自分のこともできんし、生きていても人に迷惑かけるだけ。もう治療はせんで下さい」
「次にどんな症状が出るか、本当に怖いです。いっそのこと早く終わってほしい」
このようなとき、皆さんはどう対応されますか?
ある末期患者さんは、
「がんを治すための情報はネット上にもあふれているが、
”死を覚悟した者が残りの時間をどう過ごすべきか”
に関する情報はどこにもない」
と嘆いておられました。
この大きな課題に対し、
医療現場の現状と、医療者はどう向き合うべきかについてお話したいと思います。